寄り添う姿勢と言葉遣いが大切な認知症の方との会話

認知症を患う方と会話を行う場合に、話がまるで噛み合わずに困ってしまうというのは介護職として働く人の定番の悩みです。

脳の機能低下が進むことにより現れる認知症の中核症状として、記憶障害と見当識障害、理解力の衰えなどが挙げられます。記憶障害は名前の通り記憶する機能に問題が出る症状で、直前に起こったことや話したことを忘れてしまうケースも珍しくはありません。

見当識障害は現在の時間や季節などを正常に理解できなくなる症状で、自分は若いと思い込んだ方が、若い時に住んでいた場所に向かおうとすることもしばしば起こります。

理解力の衰えは脳内の情報処理能力の低下により現れる症状で、認知症を患うと多くの情報を処理できずに会話に支障をきたすことが起こりかねません。記憶障害と見当識障害、理解力の衰えなどの理由により、介護を行う側との会話が噛み合わなくなります。

会話の際に必ず意識しなければいけないポイントは、言葉をゆっくり話すことです。早口で話すと、認知症を患う方が情報を処理できずに困る可能性が高まるでしょう。記憶障害と見当識障害による会話の噛み合わなさに対処するのは難しいものの、できる限り寄り添う姿勢を見せれば、利用者からの信頼を得ることも十分可能です。

介護は非常に大変ですが、認知症を患う方の発言を否定したり責めたりしても信頼は得られません。そのため、たとえ会話がうまくいかなかったとしても、認知症を患う方に寄り添う言葉を使用するようにしてください。ゆっくりと丁寧な言葉づかいを意識し、寄り添う姿勢が大切です。