否定や強制など認知症の高齢者に使ってはいけない言葉

認知症を患っている高齢者を介護する際に使ってはいけない言葉というものがあり、それらをまとめると以下の通りです。

1つめは否定する言葉です。認知症は判断能力が低下し、例え誤った言動をしたとしても、本人にはその自覚がありません。しかし、感情は長く保たれていることが多いため、頭ごなしに「それは違う」と否定してしまうと、怒ったり自己否定につながる場合があります。そのため、まずはしっかりと話を聞き、何故そのような言動をしたのかを理解することが大切です。

2つめは、強制する言葉です。例えば入浴の時間に入りたがらなかったとしても、「さっさと入ろう」「体が痒くなってもいいの?知らないよ」というように、強制やまるで脅しのような言葉がけは避けるべきです。このような場合には、まずは理由を尋ねて本人の希望を叶えてあげるなど、納得して入ってもらえる解決法を探すようにします。

3つめは責める言葉です。認知症が進行すると、今まで難なくできていたこともできなくなるなど、運動機能も低下してしまいます。その際に「どうしてできないの」などと失敗を責めるような言葉を口にしてしまうと、利用者の自尊心を大きく損ねてしまいます。利用者のやろうとする気持ちを尊重しつつ、「ありがとうございます。次はこんな風にしてみたらどうでしょう?」などと正解をさりげなく提案するのがベターです。

4つめに挙げるのは、尊厳を傷つける言葉です。利用者本人を全否定するような、「汚い」「もうあなたはやらなくていい」などという言葉がけは、自尊心を傷つけ自信を奪い、やる気をなくさせます。利用者のやる気を大切にして、見守ることが重要です。